八角柱の外側にタイルがはられて
上の方のタイルを確認するために
何か階段のようなものイメージが
はじまりました。
イオンモールの吹き抜けに
八角柱を建てみたり…
イオンモールで買い物中に、
頭の中でそこに八角柱を建ててみた。
その騒がしい雰囲気が調和することなく柱が目の前で崩れてしまった。
逆に人気のない古城跡近くの
つぶれたモーテルの跡地に建ててみた。
その奇妙さがますます人を寄せ付けないさびしさに
ガッカリしてしまった。
そんな2018年7月、東京に用事ででかけ
森美術館にもよってみることにしました。
建築関係の展示だったからです。
そこで、衝撃的な出逢いがあったのです。
それは、【会津さざえ堂】の模型でした。
二重螺旋の建物、
これだ!と心の中で叫びました。
会津さざえ堂に会いに行く
SNS上の知り合いが、さざえ堂から5分のところに住んでいたので、
2018年10月たずねてみました。
ボランティアガイドさんが待っていてくれました。
ガイドさんには、
1868年にその場所で起こった、
戊辰戦争の会津戦争で20人の少年が自刃した悲劇を
力説していただけました。
いよいよ目的のさざえ堂に案内という時には、
年配のガイドさんはすっかり疲れ果てていました。
1796年に建てられた、
ずんぐりした奇妙な形のさざえ堂の周りに
自刃した少年たちがさらに子供に戻って
遊んでいるような風景が浮かびました。
祈りの対象だったその建物も
今はミュージアムのようにも、アトラクションのようにも、
おもちゃのようにも見えたからかもしれません。
白い獅子たちが建物の中でぐるぐる回りながら
鎮魂の儀式をしているのです。
正面から入って、右回りに廊下は登っていました。
一回転半のぼると太鼓橋のような、
湾曲の廊下をわたって
今度は左周りに下っていました。
天井は低く
さほど広くない廊下は
一度も平らなところがなく
正面の真裏に案内してくれました。
一階建て?
一度も平らなところがなかったよね?
「これを、裏庭に建てようと見に来ました」
とわたしが、ガイドさんに伝えると
「せっかく来たのだから、逆周りにも体験したら?」
と言ってくれたので
もと来た廊下を踵を返して登ってもどります。
すると、やはり先ほどと全く同じく、
右回りに上り、左回りで下って
正面に戻ったのです。
さらに、もう一度正面から登って裏におりました。
右回転で上り、左回転で下る。
これは面白い!
中は一階建てで、外からは四階建てに見えるという
摩訶不思議な建物だったのです。
江戸時代後期、時代は近世、
ある僧侶がお伊勢さんへの参拝者をとりかえそうと
こよりを作る内職中に思いついたのだそうです。
1780年ごろは、
会津からも伊勢参りが盛んなほど、混沌とした時代だったのではないかと
想像してさざえ堂を後にしました。
あんご 富遊