八角柱の中(Vol.3)

タイルを八角柱の外側に貼るのか
それとも、内側に貼るのか

目次

終わりなき妄想

頭の中で思い描いている時間が続きます。


外側だと外気に当たって劣化が早いのではないかと
心配されたからです。

内側に貼ることで思わぬいいことがありました。

ひとつの場所からほとんど動かずに
春夏秋冬を見渡せるということです。

それこそ、トイレの便座に座って
ぼんやり壁紙のパターンを眺めている時と同じ体験ができそうです。

静かな安心する空間で瞑想にふけるよう
タイルを眺めている自分の姿がそこにはありました。

これだ、この体験がしたいのだ
内側に貼るという想像を何度か続けてみたました。

やがて、よく見えない上の方、
800年前をじっくり見るのに少し悩むようになりました。

八角柱の真ん中に
はしごを立てるアイデアが浮かんで
せっかくの椅子がおけなくなってしまいました。

それどころか、
年老いた自分自身がはしごを踏み外し
転落してしまいました。

(あくまでも空想の中で、です)

その場所はひみつ過ぎて誰にもみつけてもらえないという
何とも言えない結末になってしました。

そうなると、はしごをかけるのは諦めて

エレベーターにするとか
あるいは、非常階段のような螺旋階段
八角柱の中央に建てるとかを試みるようになります。

いずれにしても
安楽な椅子は撤去せざるを得ないことになりました。

何しろ実際に建てる気満々

実際に建てる気で
真剣にアイデアを練っているのだから


内側にタイルを貼るというのは
工事費も少なくてすむ有力なプランでした。

もし遊んでいる大金でも持っていたなら
自宅の空き地に建てていたかもしれないほど
暇さえあればその八角柱の中にいます。

そこはほんとうに静かです。

実際には露とも存在しないその場所は
カオス的な現実から逃げるにはちょうどいい
お気に入りの場所でした。

心の避難所を持とう♪

これはあなたにもできる
雪の平原に立って
その真っ白なキャンバスに

花咲く平和な春を思い描くように


あなたにもできる

心の避難所を建てようあなたの頭の中に

仕事や人間関係で理不尽を感じた時
生活や経営に行き詰まりを感じた時

心を避難させるのは重要なこと

あなたにもできる

地震発生

こんな詩をささやきながら
何度も八角柱の中で過ごしたある日
地震が起こったのを想像してしまいました。

壁に綺麗に張られた2,000枚ののタイルが
はがれて落ちて来てしまったのです。

タイルは無惨にも粉々になり自分は埋もれてしまい


ずいぶんしてから探しに来てくれた人が
砕けたタイルの山を見て
これ何?」というのが聞こえるのです。

もちろん、自分は息もしていないので
残念なことに教えることもできず


その建物は変った人が建てて
そこで亡くなった事故物件になってしまいました。

地震発生空想事件のすえ

私はいろんなリスクはあるけれども
タイトルは八角柱の外側に貼ることを決めました。

「これ何?」はもう増やしたくないという
思いが勝ってしまったのです。

八角柱の外側に張られたタイルを
複数の人が、思い思いの所から眺めている
そんなものが見えるようになっていました。

それでも、
あの心の避難所だけはひみつに守りたいと考え、
今でも時々隠れて一息ついています。

宇宙空間に浮かぶチューブ

いつも木漏れ日のような光がどこからか指している
空気の澄んだ、ひとりだけの空間です。

何度も通ううちに
床もなく、上も下もなく、時空もなく。

ただ宇宙空間に浮かぶ八角柱のチューブのように
なってしまい

私はおかしなことにそこにいつ訪ねても
今現在のタイルの前に張り付いている

まるで、鉄のちいさな玉
チューブの回りに仕込んだ磁石で浮いているみたい

身体という何らかの成分が
今現在、この場所に引き付け
この身を安定させているのです。

頭の中なのだからどこだって行けるというのに


八角柱の中はそれほど心地よい避難場所
わたしの心の避難所

あんご 富遊

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この記事を書いた人

花屋の経営者を手伝って25年、
働きアリのように地道に暮らしてきました。

1999年 生まれた長男が重度のアトピー性皮膚炎
    夜泣きは三才まで続き

2001年 マクロビオティックに出会い
    長男の病気が回復する

2009年 歴史波動の本と出会う
    マクロビオティックと融合する

2010年 歴史波動とマクロビオティックを融合し
    イソップ寓話調に書いた
   『園』を自費出版する

2021年 花屋を退職

2022年 『園』を電子書籍化
    『神と悪魔に完全ひみつの陰陽楽園 希望の春』を
     Amazon kindleより出版

2023年 家族の介護生活をはじめる

いま現在は
雪の降り積もる北陸に暮らしています。

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